「君の名は。」を観ました。日本アニメに新たに加わったマスターピース的作品。
1,000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の 風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。 夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢 を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。(シネマトゥデイより)
まさかの「風立ちぬ」超えで、
大ヒット街道を驀進している「君の名は。」
もしかすると、200億を超えるかもしれないという、今年一番のすさまじい大ヒットとなっています。
完全に社会現象ですね、これは。
数字として結果を残しているのは一目瞭然ですが、作品のクオリティもすばらしかったです。
クオリティも高くて、大ヒットする。
これはもう最強ですね。
名作揃いの日本アニメ作品に、新たなマスターピースが加わりました。
まず目を引くのは、風景や背景の絵の綺麗さ。
これは他のアニメ作品と比べても圧倒的なんじゃないでしょうか。
正直、アニメは素人ですが、素人目に見てもタッチが相当繊細で、雪や雨の描かれ方などは、「実写映画よりも実写っぽい」という不思議な感覚になりました。
特に印象に残っているのは、東京の街の描かれ方です。
瀧が暮らす東京は、とても美しかった。
それは嘘をついて東京を綺麗に見せているわけではなくて、東京にもこんなに良いところがいっぱいあるんだよという感じです。
スマホを見たり、矢のように歩いてくる人にイライラしたり、いかに自分が普段、東京という街をちゃんと見ていないのかとても反省しました。
東京にもこんな綺麗な風景があったんですね。
この景色や風景を見るだけでも、観に行く価値があると思います。
さらに良かったのが、ストーリーの紡がれ方。
あまり見たことない展開で、目から鱗でした。
いや正確に言うと、目から涙でした。
ネタバレは避けますが、
主人公の瀧や三葉は劇中で涙を流します。
でも、その理由が分からない。
本人たちもなぜ泣いているのか分からない。
この映画は、まさにこれなんです。
なぜか分からないけど、ぽろぽろ泣けてくる。
涙が何粒も頬をつたいます。
ストーリー展開は割とSF的で、正直細かいところまでは理解できなかったりするんですが、そんなことを理論づけしなくても別に良くて、でも、なんか泣けてくるんです。
これが本当に不思議でした。
青春映画であり、ラブストーリーであり、SF映画であり、人間ドラマであり、社会派ドラマでもある。
こんないっぱいの要素をはらんだ映画を観たのは久しぶりです。
アニメでは、もしかしたら初めてかもしれない。
さらにこの全編を彩る大きな要素の1つが、RADWINPSの音楽。
これがまぁすこぶる良くて、鳥肌ものでした。
音楽と映像のつながりがこれほどリンクしたアニメを、これまで僕は見たことがありません。
「前前前世」のシーンもスピーディーで素晴らしいんですが、個人的に好きだったのはラストの「なんでもないや」。
ラストシーンで青空をとらえて、絶妙なタイミングでカットイン。これまでたまっていたモヤモヤがとれて、涙が溢れました。
余韻がすごくあって、エンドロールもとても短く感じましたね。
それ以外の音楽もすごく良くて、映画の内容に寄り添っていて、本当に心地よかったなぁ。
サントラももちろん購入いたしました。
もしかすると、この作品がダイレクトに響くのは、10代20代かもしれません。
やっぱり甘酸っぱい展開は多いし、青春映画です。
でもこれだけのヒットを見ていると、そんなものは関係なくて、その層以外の人たちも観に来ている。
映画って生きていくのに絶対必要なものじゃないけど、社会全体が1本の映画に注目し、盛り上がっている。
それってやっぱりすごいことだし、感動的です。
みんながつながってるんだなって思います。
やっぱり映画っていいなぁ、と心の底から思います。
新海さんとは、実は今まであまり相性が良くなかったんですが、今作ではビッタリはまりました。
今後の作品も楽しみです。
「君の名は。」、必見です。
原作・脚本・監督: 新海誠
作画監督: 安藤雅司
キャラクターデザイン: 田中将賀
音楽: RADWIMPS
キャスト
神木隆之介
上白石萌音
成田凌
悠木碧
島崎信長
石川界人
谷花音
長澤まさみ
市原悦子
★ 4.5点