週刊シネマイモ

その日の映画、その日のうちに。

こんにちは、2017年。「目標」ではなく、「予定」だという意識で。

f:id:pulp-fiction1330:20170111155403j:image

 

新年、明けましておめでとうございます。

 

写真はニセ明ならぬ、餅明でございます。

 

2016年は源さん飛躍の年…というかもはやとんでもない次元にいってしまいましたね。大ブレイクです。

 

嬉しいですが、やっぱり寂しいかな。

 

 

さて、2016年はブログを書き始めたものの、後半は仕事が忙しくなったり、体調を崩したりで、少し更新が滞りました。反省しています。

 

映画レビューも良い作品がいっぱいあったのに、書ききれなかったなぁ。

 

ということで、2017年は「週2回更新」を予定として、無理せず頑張ってみたいと思います。

 

相変わらず、映画レビューやCM、星野源さんの話が多いかと思いますが、今年も色んなものを褒めて勧めて、1人でも多くの人に、心を動かす素晴らしい作品たちを紹介できれば、と思っています。

 

今年も、暇つぶしがてら読んで頂けますと幸いです。

 

 

f:id:pulp-fiction1330:20170111155656j:image

 

さて、先日「営業マンは理系思考で売りなさい」という本を読みました。

 

文系の自分でも共感することが多く、内向的な性格でも強い営業マンになれるのだと自信がつきました。おすすめです。

 

 

その中で、印象的な話があったのでご紹介したいと思います。

 

 

著者の菊原さんが、トップ営業マンの集まりに参加した時のことです。

 

菊原さんは、1人のトップ営業マンに質問しました。

 

「普段からどのような目標を持って、仕事をなされているのですか」

 

するとトップ営業マンは、

 

「目標なんてない」

「目の前のことを全力でやっているだけ」

 

と、答えたそうです。

 

回答に驚いた菊原さんは、

 

「今年は○○個、契約を取る!などの目標はないのですか」

 

と改めて質問しました。

 

するとトップ営業マンは

 

「それは目標じゃなく、【予定】だよ」

 

そう、答えたそうです。

 

 

 

この言葉は、新年早々、本当に響きました。

 

私も毎年年初めには、これをやろう!とか、映画を何本見よう!、運動をしよう!、など、目標を立てることが多いです。

 

でも、それを手帳やスマホなどに書き留めたはいいものの、あっという間に何もせず1年が過ぎてしまった…なんてことは、数え切れないほどあります。

 

皆さんもそういう経験、ありませんか?

 

今年はこれをやろう!という「漠然とした目標」では、実際に達成できる可能性はかなり低くなります。

 

そうではなく、その目標に「締め切り」、「制限」を入れることが、とても大切なのだと気づかされました。

 

その目標に「締め切り」を加えた瞬間、その目標は「予定」へと変貌を遂げます。

 

今年は痩せるぞ!と意気込んだところで、きっとその目標は何の予定もなく眠ったままです。

 

そうではなくもう少し輪切りにして、締め切りをつけて、2月末までに3kg痩せるぞ!と決めて、その目標を「予定」にしてしまう。

 

そのあと、じゃぁ今から何をしなければいけないのかと逆算していく。

 

このイメージは、すごく分かりやすかったですね。


「いつまでに」「何を」するのか。

 

ブログに関して言えば、記事の始めに、2017年は「週2回更新」を予定として…と書きました。

 

1年のブログ目標は、「100記事UP」です。

 

1年間で100記事UPするには、1年は52週あるので、週2回は更新しないとです。じゃぁそれを目標にして、いつどこで書くのかを考える。

 

こうすると、目標が予定化されて、案外楽しいです。

 

皆さんも是非、今年の目標に「締め切り」を加えて、「予定」にしてみてください。

 

それでは、2017年も無理せず、のんびり、楽しんでいきましょう!

 

f:id:pulp-fiction1330:20170111160350j:image

 

「ラ・ラ・ランド」の海外版予告編が良すぎるという話。「セッション」監督の新作ミュージカル。

 f:id:pulp-fiction1330:20161114183414p:image

 

『セッション』で一躍有名となった、ディミアン・チャゼル監督の新作の海外版予告編が、解禁となっています。

 

 

その名も「ラ・ラ・ランド」

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114183453p:image

 

これ、やばいです。とんでもなく良いです。なんなんですか、この予告から漂ってくる名作臭は。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114183537p:image

  

「セッション」の時も、予告編から既にただならぬ雰囲気が漂っていて、めちゃくちゃテンションが上がった記憶があります。そして、内容は言わずもがな。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114183603p:image

 

これ「セッション」を作ってしまって、次回作相当ハードル上がるよな…と思っていた矢先、この新作予告編。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114183617p:image

 

いやー、驚きました。

まず、ミュージカル映画で来たことに驚き。

 

実は私はミュージカル映画が苦手です。なぜか相性が良くないんですよね。

 

でも、本作は絶対観たい。必ず初日に観ます。

 

「セッション」の時も思いましたが、チャゼル監督はやっぱり音楽と映像の組み合わせ方、特に編集のされ方とのリンク感が素晴らしいですよね。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114183657p:image

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114183707p:image

 

音楽のリズムと、映像の切り替わりのタイミングが見事に合わさっていて、見ていてすごく気持ちが良いんです。今回の予告編でもそれは健在でした。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114183736p:image

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114183741p:image

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114183744p:image

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114183755p:image

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114183822p:image

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114184257p:image

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114184303p:image

 

 

ラストのところの大量の切り替わりなんて、圧倒的で涙が出てきます。ほぼ字幕なしで見せてくるところもすごい。

 

そして、やっぱり音楽がとても良い。映画のオリジナルの歌でしょう か、予告編で流れてる全曲好きですね。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114183835p:image

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114183843p:image

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114184331p:image 

 

ライアン・ゴズリングとエマストーンも、最高!くぅー、早くみたい。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114183942p:image

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114183947p:image

 

あの鬼教官も出てくるぜ。

 

皆さんもまずは予告、是非見てみてください!

 

 

f:id:pulp-fiction1330:20161114184017p:image

↑特にここ好き!!!

東京ガスCM「家族の絆 やめてよ」

 

 

東京ガスのCM、大好きなんです。

 

名作揃いすぎて、これまで何度泣かされたことか。

 

なので、新作CMが公開になるといつもすぐチェックしてるんですが、最近公開になったこのCMも本当に素晴らしいです。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183307p:image

 

タイトルは、「家族の絆 やめてよ」篇。

 

キャストが「深夜食堂」シリーズでファンになった平田薫さんと、今年役者としても大活躍の塚本晋也監督が親子役だなんて、最高じゃないですか!

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183328p:image

 

塚本監督、見事な頑固ダサオヤジっぷりです。この服装は無いなーっと、思いながら、一方で、でもこういうおじちゃんいるよなーっとしみじみします。ほんと、「いかにも」って感じです。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183345p:image

 

くしゃみも全開で愛らしい!

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183513p:image

 

 

 f:id:pulp-fiction1330:20161107183442p:image

 

日本のお父さん代表って感じです。

 

今年は、「シン・ゴジラ」ですさまじい存在感を示した塚本監督でしたが、こういう不器用なキャラクターを演じられるとピカイチですよね。      

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183416p:image

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183425p:image

 

LINEも不器用に使っている感じがかわいい。

 

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183551p:image

 

一方、平田さんもオヤジ臭い父親を嫌がる「いかにも」な娘さんを好演されています。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183602p:image

 

お父さんを見つめる「嫌そー」な顔が素晴らしいです。

 

冒頭に手帳の文字も一瞬映りますが、この娘さんは転職されている設定なんですよね。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183613p:image

 

その辺の設定も、良い味出てます。この手帳はお父さんの物だと思うんですが、ガサツに見えるお父さんが、娘の予定を細かくきっちり書いているというのもなんだか泣けてきます。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183654p:image

 

真面目に仕事をしているシーンも良いですね。

 

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183710p:image

 

このCMのタイトルは、「親子の絆 やめてよ」篇。

 

要所要所で、娘さんの語りで「お父さん、やめてよ」というセリフが入ります。

 

終盤までその意味は、おやじ臭いことばかりする父親に対しての ネガティブな「やめてよ」ですが、婚約の話が進んでいくと徐々に意味合いが変わっていきます。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183737p:image

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107184034p:image

 

娘のアルバムを見て、「寂しいなぁ」とつぶやくシー ンはシンプルだけど涙が出ます。

 

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183747p:image

 

 

そして最後は、結婚式。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183803p:image

 

ここもベタなんだけど、「幸せになれよ」の一言に対して、「やめてよ」と一言。

 

娘さん、号泣。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183815p:image

 

この展開、本当にシンプルなんだけど、スーッと泣けます。いいなぁ。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183837p:image

 

あと東京ガスのCMに共通しているのは、料理が本当に美味しそうなところ。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183852p:image 

 

今回も唐揚げが印象的に出てきますが、本当に美味しそう。「食い過ぎだ!」と婚約者に怒鳴るお父さんもかわいいです。

 

心がスーッと洗われる90秒。

是非、ご覧ください。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161107183948p:image

 

「湯を沸かすほどの熱い愛」を観ました。涙のダムが、完全崩壊。見逃し厳禁の大傑作。

f:id:pulp-fiction1330:20161105110200j:image 

 

1年前、あるじの一浩(オダギリジョー)が家を出て行って以来銭湯・幸の湯は閉まったままだったが、双葉(宮沢りえ)と安澄(杉咲花)母娘は二人で頑張ってきた。だがある日、いつも元気な双葉がパート先で急に倒れ、精密検査の結果末期ガンを告知される。気丈な彼女は残された時間を使い、生きているうちにやるべきことを着実にやり遂げようとする。(シネマトゥデイより)

 

正真正銘の大傑作。すごいです。

 

ここまで映画館で泣いた映画は、生まれて初めてです。泣かなかったシーンの方が少ないかもしれない。涙腺崩壊とはまさにこのことで、次々と押し寄せる展開に涙が止まりませんでした。

 

正直、難病モノ・余命数か月モノの映画は苦手です。この映画も一見、そう見えます。

 

でも、違うんです。全然違うんです。

 

この映画は死にゆく宮沢りえに涙する映画じゃなくて、宮沢りえが家族を文字通り「湯を沸かすほど壮大な愛」で包み込む、そんなゲキアツの家族ドラマなんです。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161105110250j:image

 

「とににかく泣ける!」というと安っぽくて嫌なんですが、次から次へとやってくるエピソードの連続に、涙のダムが決壊します。これでもかというほど、涙が止まりません。

 

その涙の種類も色々で、切ないから涙する、嬉しいから涙する、悔しいから涙する、などさまざま。

 

タオルでも足りない。ハンカチなんてもっての外。涙腺崩壊必至の傑作家族ドラマです。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161105110320j:image

 

まずは丁寧に作り込まれた脚本が、本当に見事です。何気ないエピソードが伏線になっていたり、キャラクターのセリフや泣かせにかかる展開(決して いやらしくない)が、めちゃくちゃ丁寧で、意外性に溢れている。こんな映画、あまり見たことがありません。常にいい意味で裏切られる展開が続きます。

 

また、高足ガニやピラミッド、しゃぶしゃぶなど、キーとなるアイテムの使われ方が見事「そう来たか!(涙)」の連続でした。本当に休む間もなく、次から次へと感動ポイントがやってくるので、受け止めるのに必死です。

 

双葉が好きな「赤」という色を中心にアイテムがまとめられているのも良かったですね。双葉がトイレで吐いた血すら芸術的に見えました。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161105110426j:image

 

 脚本・監督を務めたのは、今作が商業映画デビュー作となる中野量太監督。

 

正直、デビュー作とは思えません。すごすぎます。

 

「ここは見せて、ここは見せない」というセンスが抜群で、あまりネタバレは避けますが、印象的だったのは 安澄が死ぬ間際の双葉に会いに行くシーン。


普通のお涙頂戴ものであれば、一言二言会話して、「お母さん…」みたいなベタな展開だと思います。

 

でも、このシーンでは中々双葉を映しません。

しばらく安澄が一方的に話をしていて、双葉は生きてるの?とハラハラしていると、 突然、双葉が映ります。

 

そこに映し出されるのは、頬がこけ、目が突き出て、今にも死にそうな双葉。

 

衝撃でした。

 

今思い出しても鳥肌が立ちます。

 

癌で人が死ぬということはこういうことなんだと。

 

死ぬっていうのは、そんな甘くないんだよと。

 

胸にグッッッサリ、刺さりました。

 

普通の難病モノだと、絶対にここまで見せません。

 

安易な映画にしないぞ、という監督やキャストの覚悟が見えました。

 

パンフレットにも書いてありましたが、このシーンの撮影後 キャストや監督は大号泣されたそうです。その魂、観ているこちらまで届きました。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161105110759j:image

 

あと、銭湯を経営しているという設定も良いですよね。個人的に銭湯は大好きなので、めちゃくちゃ銭湯に行きたくなりました。この設定がラストの展開にも効いてくるんですが、そこはネタバレですので避けますね。色々賛否あるみたいですが、私は好きです。というか、最高です。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161105110836j:image

 

あとはやっぱりキャストの皆さんの演技が素晴らしい。宮沢りえさんはもちろんのこと、脇を固める杉咲花さん、オダギリジョーさん、伊東蒼ちゃん、 篠原ゆき子さん、駿河太郎さん、松坂桃李さんの双葉ファミリー(と勝手に呼んでいます)の演技のアンサンブルが、最高でした。

 

個々がというより、 これは完全にチームプレイですね。圧倒的でした。

 

しゃぶしゃぶで伊東蒼ちゃんが泣きながら
語るシーンなんか、嗚咽出るくらい泣きましたね。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161105111032p:image

 

「湯を沸かすほどの熱い愛」、このタイトルも好きです。字体も、ロゴが出るタイミングも完璧。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161105124128j:image

 

  監督はこの映画を撮影する際、スタッフに「みんなが家族に見せたくなる映画を作ろう」とおっしゃったそうです。

 

素晴らしいですよね、この言葉。

 

自分の大切な家族みたいな存在の人に薦めたくなる、まさにそんな映画です。

 

 

 f:id:pulp-fiction1330:20161105124132j:image

 

キャストとスタッフが一丸となり、まさに文字通り「湯を沸かすほどの熱い愛」で製作された本作。間違いなく自分のオールタイムベストに入るであろ う、見逃し厳禁の大傑作です。

 

今年一番出ちゃったかも。

 

 

監督・脚本:中野量太
キャスト
宮沢りえ
杉咲花
伊東蒼
篠原ゆき子
駿河太郎
松坂桃李
オダギリジョー

 

 f:id:pulp-fiction1330:20161105120606j:image

 

★5.0点

 

 

 

「永い言い訳」を観ました。「ゆれる」の西川美和が、戻って来た。

f:id:pulp-fiction1330:20161101173742j:image

 

人気小説家の津村啓こと衣笠幸夫(本木雅弘)の妻で美容院を経営している夏子(深津絵里)は、バスの事故によりこの世を去ってしまう。しかし夫婦 には愛情はなく、幸夫は悲しむことができない。そんなある日、幸夫は夏子の親友で旅行中の事故で共に命を落としたゆき(堀内敬子)の夫・大宮陽一 (竹原ピストル)に会う。その後幸夫は、大宮の家に通い、幼い子供たちの面倒を見ることになる。(シネマトゥデイより)

 

f:id:pulp-fiction1330:20161101173755j:image


生まれて初めて映画館で1人で観た映画。それが、西川美和監督の「ゆれる」でした。この衝撃はすごかった。人間の暗部、いやらしさを全面に見せつけられ、泣かされ、ラストシーンでも心鷲掴み。いつの間にかパンフレットを買い、いつの間にか帰宅し、放心状態。それが私の「ゆれる」体験でした。それ以来、自分の邦画オールタイムベストテンでは不動の1位です。

 

その体験が衝撃すぎたせいか、「ディア・ドクター」、「夢売るふたり」は相性があまり良くなかったんです。ですが、本作「永い言い訳」は、相性バッチリ。「ゆれる」の西川監督が戻って来たような感覚でした。観終わってモ ヤモヤするこの感覚、まさに心が「ゆれる」体験。これぞ、西川監督作品です。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161101173851j:image

 

まず、本木雅弘さん、竹原ピストルさん、池松壮亮さんほか、男の役者さんの「抑え」の演技が素晴らしい。西川さんの作品は、人間のいやらしさや、 実際心の内ではこう思ってるんだよ、みたいな心をえぐられるシーンがとても多いんですが、それってセリフで言っちゃうと現実味を失っちゃう。だから、役者さんは表情で語るしかない。この表情の語りが、本当にすごい。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161101173952j:image

 

f:id:pulp-fiction1330:20161101173926j:image

 

陽一を演じる竹原さんも笑ってるのか、怒ってるのか分からない恐怖感が常にあるし、岸本を演じる池松さんも常に何か含んでニヤニヤしてる。この辺の描かれ方が超リアルです。そんな演技合戦の中、やっぱり一番印象に残っているのは、幸夫を演じる本木さんですね。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161101174044j:image

 

今年も映画賞を総なめするんじゃないでしょうか。それくらいの熱演、怪演?です。奥さんが バス旅行中に死んじゃったのに、自分はその間に浮気していた。その罪悪感、贖罪の気持ちをどこにもぶつけることができず衝動的にたどり着く場所 が、同じく妻(幸夫の奥さんの親友)をバス旅行で亡くした陽一一家。トラック運転手で家を空けやすい父親に代わって、幸夫が2人の子供の父親代わ りを不器用ながら勤め上げていきます。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161101174103j:image

 

このあたりのシーンは、是枝監督の「海よりもまだ深く」を思わせる団地ドラマになっていて、クスクス笑えるところもあれば、子どもたちとのやり取りににハッとさせられることもあります。ハッとだけじゃなく、ヒヤッともあったかな。人間って怖い、って思うようなシーン。でも子供のいたことがない幸夫の様子はとても可愛く、愛しさすら覚えます。

 

そんな心地よい居場所を見つけた幸夫でしたが、山田真歩さ ん演じる優子(超いい人)が、陽一一家と仲良くなり始めたあたりで、幸夫の中で何かのたがが外れ、自暴自棄となり、1人引きこもってしまいます。 引きこもった後の幸夫は、激やせし、生きる気力を失ったような絶望的な姿になります。ここの本木さんの演技は、本当にすさまじかった。激やせし、ボーボーの髪の毛になった幸夫が、何の煽りもなく、突然出てきた時は衝撃でした。でも本木さんは、ずっとかっこいいんですよね。これってやっぱり凄い。さすが元アイドルです。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161101174149j:image

 

また、深津絵里さん、堀内敬子さん、黒木華さんなど女性キャストの演技も超リアルで、男たちの雰囲気とすごく対照的。出てくるのはみんな数分なんですが、みんなスマートで、印象的でした。でもその女性キャストの中でひときわ目立っていたのが、子役の白鳥玉季ちゃん。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161101174204j:image

 

いやー、正直ビビりました。もう演技なのか、演技じゃないのか分からないくらい自然体で、明らかに他の役者さんを食ってました。子役といえば是枝監督作品ですが、今作の白鳥ちゃんは、それにも匹敵する強烈なインパクトがありました。今後も要注目です。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161101174253j:image

 

そして、もう1つ印象的だったのは、これまであまり見たことのないような映像の美しさです。少しざらついていながら透き通っていて、目を見張るような美しさのある映像が、全編続きます。ずっと映像を見ていたいくらい綺麗で、オシャレでした。調べてみると、全編16ミリフィルム で撮影されたみたいですね。それでこんなに味が出るのかー、すごいです。

 

あと、音楽も良かった。特にオープニングのクレジットと映像の挿し込まれ 方はめちゃくちゃかっこよくて、いやらしくて、ニヤニヤしましたね。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161101174305j:image

 

 「妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。」このキャッチコピーも心つかみますよね。素晴らしいです。


役者の皆さんの「含み」演技合戦。
これを観るだけでも一見の価値ありです。

 

原作本も読んでみます。

 

 

 原案・脚本・監督: 西川美和
挿入歌: 手嶌葵
キャスト
本木雅弘
竹原ピストル
藤田健
白鳥玉季
堀内敬子
池松壮亮
黒木華
山田真歩
深津絵里

 

 f:id:pulp-fiction1330:20161101174427j:image

 

★4.1点

「ジェイソン・ボーン」を観ました。ボーンは相変わらず走らない。

f:id:pulp-fiction1330:20161018194538j:image 

  

ひっそりと暮らしていたジェイソン・ボーンマット・デイモン)の前に、CIAの同僚だったニッキー(ジュリア・スタイルズ)が姿を現す。彼女は CIAが世界中を監視・操作するための極秘プログラムを立ち上げたことと、ボーンの過去にまつわるある真実を告げる。これをきっかけに、再び動き 始めたボーンの追跡を任されたCIAエージェントのリー(アリシア・ヴィキャンデル)は、彼を組織に取り込もうとするが……。(シネマトゥデイより)

 

f:id:pulp-fiction1330:20161018194600j:image

 

個人的にも大ファンなボーンシリーズ。特に好きなのは、スプレマシーとアルティメイタムです。

 

今回の新章のタイトルは、その名も「ジェイソンボーン」。


新章なのにタイトルそんまんま!と思いましたが、さすがはポールグリーングラス監督。

 

最初から最後まで全くだれることなく、あっという 間の2時間、お見事です。

 

 

f:id:pulp-fiction1330:20161018195223j:image

 

新章のストーリーはいたってシンプルで、影を潜めているボーンに、前シリーズのお馴染みキャラ・ニッキーが近づいて、「CIAが変な作戦 をしようとしている!助けて!しかもあなたの過去も新しい事実でてきたよ!」と報告。

 

で、相変わらず真相を突き止めるべく動いて、ボーンはCIAに追われる羽目になる、という展開です。


ボーンシリーズの魅力はいろいろあると思うんですが、まずあるのはボーンはいつも敵を倒すためではなく、自分の過去の真相を突き止めるべく爆走しているというところです。

 

普通のCIAもの・スパイものなら明らかな敵がいて、そいつを倒していくという感じだと思うんですが、ボーンシリーズの場合はボーンの特殊な遍歴ゆえ、いつも自分の過去を明らかにするために戦うんですよね。

 

もちろんCIAの悪事を晒すという意味合いもあるんですが、基本的には常に自分の過去を知るために戦っている。

 

これが本当に切ない。

 

こんな哀愁漂うスパイ映画あるのかっていうくらい、いつも切なくなりますね。

 

今回もまさにそうで、「頼む!もうこれ以上、ボーンをいじめないでやってくれ!」って感じ
になりました。 

 

f:id:pulp-fiction1330:20161018195223j:image

 

そしてもう1つの魅力は、言わずもがなアクションシーン。


ボーンシリーズのアクションに名前をつけるなら「ドライな草の根アクション」だと思っています。

 

ボーンシリーズのアクションはもちろん圧巻ですごいんですけど、めちゃくちゃドライ。

 

爆発ドカーン!みたいな華やかさは皆無なんです。

 

でも、これがすごくいい。

 

ボーンは、バトルシーンでもあまり相手を殺さなくて、素手で殴ったり、絞め落としたり、周辺にあるアイテムを一瞬で武器に変えて攻撃したりします。

 

今回の映画ではイスの足を使ったり、スロットの棒みたいなのとか使ってて、すごいワクワクしました。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161018194912j:image

 

あと、ボーンって全然走らないんですよね。

 

普通、追われてたらもっと走れよって思うんですが、ボーンはいつも超冷静で、常に「早歩き」。

 

この愚直な感じがすごい好きです。

 

このシリーズの名物ではありますが、早歩きでキョロキョロするボーンを、後ろから撮影しているシーンは今作でも健在です。

 

映画を見終わった後、しばらくボーンっぽい歩き方をしてしまいました。

 

 

 

f:id:pulp-fiction1330:20161018194929j:image

 

そして、スプレマシーから続くカーチェイスのクオリティの高さ!今回もすさまじいです。

 

早いカット割と疾走感あふれる撮影で、自分も彼らの車に乗って疾走しているような感覚になりました。

 

人によっては、あまりのスピード感に酔ってしまうかもしれませんね。

 

 

f:id:pulp-fiction1330:20161018194940j:image

 

特にラストのラスベガスの街でのカーチェイス は、すごすぎて笑いがこみ上げてきました。

 

途中、「ルパン三世 カリオストロの城」みたいなところもあって、うおー!っとテンションぶち上がり!

 

やっぱりグリーングラス監督、さすがです。

 

 

f:id:pulp-fiction1330:20161018194952j:image

 

あと今作からの新キャスト、アリシア・ヴィキャンデルもすごく良かった。


リリーのすべて」から大ファンなのですが、言葉数が少ない冷静沈着なキャラクターを見事に演じていました。

 

やっぱり彼女は目の演技、表情の演技が素晴らしいですね。大好きです。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161018195214j:image

 

やっぱりボーンシリーズは、マット・デイモンじゃなきゃです!面白かった!

 

 

監督・脚本・製作: ポール・グリーングラス
脚本: クリストファー・ラウズ

キャスト
マット・デイモン
ジュリア・スタイルズ
アリシア・ヴィキャンデル
ヴァンサン・カッセル
トミー・リー・ジョーンズ

 

f:id:pulp-fiction1330:20161018195258j:image

★4.0点

大塚製薬カロリーメイトCM「Mate編」

 

 

大塚製薬さんのCMには、好きなものが本当に多いんです。

 

その中でも、カロリーメイトのCMはいつも感動します。

 

 

f:id:pulp-fiction1330:20161014184246p:image

 

今回ご紹介するのは、柄本佑さんと野村周平さんのCM。

 

このCMでは、柄本さんが先輩、野村さんが後輩という設定です。

 

CMは、高校生活と新社会人生活の映像が交互に挿し込まれていきます。

 

これが、すごく泣ける。


各エピソード、動作やセリフ、カット割りがそれぞれ同じような見せ方になっていて、ここにまずニヤリとします。

 

f:id:pulp-fiction1330:20161014184332p:image

 

野球部で声を出す姿と、

  

f:id:pulp-fiction1330:20161014184346p:image

 

カラオケで声を出す姿。

 

 f:id:pulp-fiction1330:20161014184402p:image


怪我をした部員を抱える姿と、

 

f:id:pulp-fiction1330:20161014184409p:image

 

酔っぱらった上司を抱える姿。

 


そうそう、新入社員とかだとこういう感じなんだよなーっと、すごく沁みます。

 

この2人が年齢的に近い先輩後輩同士というのも、また良いですね。


何ともいえない近い距離感が絶妙です。

 

 

f:id:pulp-fiction1330:20161014184927p:image

 

しかもこのスキンヘッドは、特殊メイクなんだとか!

 

全くメイクに見えませんでした。

 

そして、最後は少し変わってきて、野球部のとこでは泣いてるんだけど、社会人のとこでは柄本さんが「泣くなよ」と言う。

 

 

f:id:pulp-fiction1330:20161014184449p:image

 

f:id:pulp-fiction1330:20161014184454p:image

 

 

ずらしてくるんですね。

 

こういうところグッときます。

 

 

またバックで流れているピアノの音楽も素晴らしいです。


調べてみると、富貴晴美さんという方が作曲されたもの。

 

CMの空気感にすごく寄り添っていて、やさしく切なく、でも内に燃える熱さがあるようなそんな素晴らしい音楽です。

 

富貴晴美さんは、映画だと「日本の一番長い日」や「駈込み女と駆出し男」、ドラマだと「マッサン」などを手掛けられた方みたいですね。

 

 

 

 

 

やっぱりすごい方でした。

 

 

 

f:id:pulp-fiction1330:20161014184753p:image

 

f:id:pulp-fiction1330:20161014184755p:image

 


ラストは各エピソード共、ダッシュ!

  

仕事で疲れたときや、ふと昔を思い出したときに見ると、目頭が熱くなる名作CMです。

 

 

f:id:pulp-fiction1330:20161014184815p:image

 


「見せてやれ、底力」

 

名コピーですね。

 

 


底力見せねば!!