週刊シネマイモ

その日の映画、その日のうちに。

「湯を沸かすほどの熱い愛」を観ました。涙のダムが、完全崩壊。見逃し厳禁の大傑作。

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1年前、あるじの一浩(オダギリジョー)が家を出て行って以来銭湯・幸の湯は閉まったままだったが、双葉(宮沢りえ)と安澄(杉咲花)母娘は二人で頑張ってきた。だがある日、いつも元気な双葉がパート先で急に倒れ、精密検査の結果末期ガンを告知される。気丈な彼女は残された時間を使い、生きているうちにやるべきことを着実にやり遂げようとする。(シネマトゥデイより)

 

正真正銘の大傑作。すごいです。

 

ここまで映画館で泣いた映画は、生まれて初めてです。泣かなかったシーンの方が少ないかもしれない。涙腺崩壊とはまさにこのことで、次々と押し寄せる展開に涙が止まりませんでした。

 

正直、難病モノ・余命数か月モノの映画は苦手です。この映画も一見、そう見えます。

 

でも、違うんです。全然違うんです。

 

この映画は死にゆく宮沢りえに涙する映画じゃなくて、宮沢りえが家族を文字通り「湯を沸かすほど壮大な愛」で包み込む、そんなゲキアツの家族ドラマなんです。

 

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「とににかく泣ける!」というと安っぽくて嫌なんですが、次から次へとやってくるエピソードの連続に、涙のダムが決壊します。これでもかというほど、涙が止まりません。

 

その涙の種類も色々で、切ないから涙する、嬉しいから涙する、悔しいから涙する、などさまざま。

 

タオルでも足りない。ハンカチなんてもっての外。涙腺崩壊必至の傑作家族ドラマです。

 

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まずは丁寧に作り込まれた脚本が、本当に見事です。何気ないエピソードが伏線になっていたり、キャラクターのセリフや泣かせにかかる展開(決して いやらしくない)が、めちゃくちゃ丁寧で、意外性に溢れている。こんな映画、あまり見たことがありません。常にいい意味で裏切られる展開が続きます。

 

また、高足ガニやピラミッド、しゃぶしゃぶなど、キーとなるアイテムの使われ方が見事「そう来たか!(涙)」の連続でした。本当に休む間もなく、次から次へと感動ポイントがやってくるので、受け止めるのに必死です。

 

双葉が好きな「赤」という色を中心にアイテムがまとめられているのも良かったですね。双葉がトイレで吐いた血すら芸術的に見えました。

 

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 脚本・監督を務めたのは、今作が商業映画デビュー作となる中野量太監督。

 

正直、デビュー作とは思えません。すごすぎます。

 

「ここは見せて、ここは見せない」というセンスが抜群で、あまりネタバレは避けますが、印象的だったのは 安澄が死ぬ間際の双葉に会いに行くシーン。


普通のお涙頂戴ものであれば、一言二言会話して、「お母さん…」みたいなベタな展開だと思います。

 

でも、このシーンでは中々双葉を映しません。

しばらく安澄が一方的に話をしていて、双葉は生きてるの?とハラハラしていると、 突然、双葉が映ります。

 

そこに映し出されるのは、頬がこけ、目が突き出て、今にも死にそうな双葉。

 

衝撃でした。

 

今思い出しても鳥肌が立ちます。

 

癌で人が死ぬということはこういうことなんだと。

 

死ぬっていうのは、そんな甘くないんだよと。

 

胸にグッッッサリ、刺さりました。

 

普通の難病モノだと、絶対にここまで見せません。

 

安易な映画にしないぞ、という監督やキャストの覚悟が見えました。

 

パンフレットにも書いてありましたが、このシーンの撮影後 キャストや監督は大号泣されたそうです。その魂、観ているこちらまで届きました。

 

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あと、銭湯を経営しているという設定も良いですよね。個人的に銭湯は大好きなので、めちゃくちゃ銭湯に行きたくなりました。この設定がラストの展開にも効いてくるんですが、そこはネタバレですので避けますね。色々賛否あるみたいですが、私は好きです。というか、最高です。

 

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あとはやっぱりキャストの皆さんの演技が素晴らしい。宮沢りえさんはもちろんのこと、脇を固める杉咲花さん、オダギリジョーさん、伊東蒼ちゃん、 篠原ゆき子さん、駿河太郎さん、松坂桃李さんの双葉ファミリー(と勝手に呼んでいます)の演技のアンサンブルが、最高でした。

 

個々がというより、 これは完全にチームプレイですね。圧倒的でした。

 

しゃぶしゃぶで伊東蒼ちゃんが泣きながら
語るシーンなんか、嗚咽出るくらい泣きましたね。

 

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「湯を沸かすほどの熱い愛」、このタイトルも好きです。字体も、ロゴが出るタイミングも完璧。

 

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  監督はこの映画を撮影する際、スタッフに「みんなが家族に見せたくなる映画を作ろう」とおっしゃったそうです。

 

素晴らしいですよね、この言葉。

 

自分の大切な家族みたいな存在の人に薦めたくなる、まさにそんな映画です。

 

 

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キャストとスタッフが一丸となり、まさに文字通り「湯を沸かすほどの熱い愛」で製作された本作。間違いなく自分のオールタイムベストに入るであろ う、見逃し厳禁の大傑作です。

 

今年一番出ちゃったかも。

 

 

監督・脚本:中野量太
キャスト
宮沢りえ
杉咲花
伊東蒼
篠原ゆき子
駿河太郎
松坂桃李
オダギリジョー

 

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★5.0点

 

 

 

「永い言い訳」を観ました。「ゆれる」の西川美和が、戻って来た。

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人気小説家の津村啓こと衣笠幸夫(本木雅弘)の妻で美容院を経営している夏子(深津絵里)は、バスの事故によりこの世を去ってしまう。しかし夫婦 には愛情はなく、幸夫は悲しむことができない。そんなある日、幸夫は夏子の親友で旅行中の事故で共に命を落としたゆき(堀内敬子)の夫・大宮陽一 (竹原ピストル)に会う。その後幸夫は、大宮の家に通い、幼い子供たちの面倒を見ることになる。(シネマトゥデイより)

 

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生まれて初めて映画館で1人で観た映画。それが、西川美和監督の「ゆれる」でした。この衝撃はすごかった。人間の暗部、いやらしさを全面に見せつけられ、泣かされ、ラストシーンでも心鷲掴み。いつの間にかパンフレットを買い、いつの間にか帰宅し、放心状態。それが私の「ゆれる」体験でした。それ以来、自分の邦画オールタイムベストテンでは不動の1位です。

 

その体験が衝撃すぎたせいか、「ディア・ドクター」、「夢売るふたり」は相性があまり良くなかったんです。ですが、本作「永い言い訳」は、相性バッチリ。「ゆれる」の西川監督が戻って来たような感覚でした。観終わってモ ヤモヤするこの感覚、まさに心が「ゆれる」体験。これぞ、西川監督作品です。

 

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まず、本木雅弘さん、竹原ピストルさん、池松壮亮さんほか、男の役者さんの「抑え」の演技が素晴らしい。西川さんの作品は、人間のいやらしさや、 実際心の内ではこう思ってるんだよ、みたいな心をえぐられるシーンがとても多いんですが、それってセリフで言っちゃうと現実味を失っちゃう。だから、役者さんは表情で語るしかない。この表情の語りが、本当にすごい。

 

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陽一を演じる竹原さんも笑ってるのか、怒ってるのか分からない恐怖感が常にあるし、岸本を演じる池松さんも常に何か含んでニヤニヤしてる。この辺の描かれ方が超リアルです。そんな演技合戦の中、やっぱり一番印象に残っているのは、幸夫を演じる本木さんですね。

 

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今年も映画賞を総なめするんじゃないでしょうか。それくらいの熱演、怪演?です。奥さんが バス旅行中に死んじゃったのに、自分はその間に浮気していた。その罪悪感、贖罪の気持ちをどこにもぶつけることができず衝動的にたどり着く場所 が、同じく妻(幸夫の奥さんの親友)をバス旅行で亡くした陽一一家。トラック運転手で家を空けやすい父親に代わって、幸夫が2人の子供の父親代わ りを不器用ながら勤め上げていきます。

 

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このあたりのシーンは、是枝監督の「海よりもまだ深く」を思わせる団地ドラマになっていて、クスクス笑えるところもあれば、子どもたちとのやり取りににハッとさせられることもあります。ハッとだけじゃなく、ヒヤッともあったかな。人間って怖い、って思うようなシーン。でも子供のいたことがない幸夫の様子はとても可愛く、愛しさすら覚えます。

 

そんな心地よい居場所を見つけた幸夫でしたが、山田真歩さ ん演じる優子(超いい人)が、陽一一家と仲良くなり始めたあたりで、幸夫の中で何かのたがが外れ、自暴自棄となり、1人引きこもってしまいます。 引きこもった後の幸夫は、激やせし、生きる気力を失ったような絶望的な姿になります。ここの本木さんの演技は、本当にすさまじかった。激やせし、ボーボーの髪の毛になった幸夫が、何の煽りもなく、突然出てきた時は衝撃でした。でも本木さんは、ずっとかっこいいんですよね。これってやっぱり凄い。さすが元アイドルです。

 

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また、深津絵里さん、堀内敬子さん、黒木華さんなど女性キャストの演技も超リアルで、男たちの雰囲気とすごく対照的。出てくるのはみんな数分なんですが、みんなスマートで、印象的でした。でもその女性キャストの中でひときわ目立っていたのが、子役の白鳥玉季ちゃん。

 

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いやー、正直ビビりました。もう演技なのか、演技じゃないのか分からないくらい自然体で、明らかに他の役者さんを食ってました。子役といえば是枝監督作品ですが、今作の白鳥ちゃんは、それにも匹敵する強烈なインパクトがありました。今後も要注目です。

 

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そして、もう1つ印象的だったのは、これまであまり見たことのないような映像の美しさです。少しざらついていながら透き通っていて、目を見張るような美しさのある映像が、全編続きます。ずっと映像を見ていたいくらい綺麗で、オシャレでした。調べてみると、全編16ミリフィルム で撮影されたみたいですね。それでこんなに味が出るのかー、すごいです。

 

あと、音楽も良かった。特にオープニングのクレジットと映像の挿し込まれ 方はめちゃくちゃかっこよくて、いやらしくて、ニヤニヤしましたね。

 

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 「妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。」このキャッチコピーも心つかみますよね。素晴らしいです。


役者の皆さんの「含み」演技合戦。
これを観るだけでも一見の価値ありです。

 

原作本も読んでみます。

 

 

 原案・脚本・監督: 西川美和
挿入歌: 手嶌葵
キャスト
本木雅弘
竹原ピストル
藤田健
白鳥玉季
堀内敬子
池松壮亮
黒木華
山田真歩
深津絵里

 

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★4.1点

「ジェイソン・ボーン」を観ました。ボーンは相変わらず走らない。

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ひっそりと暮らしていたジェイソン・ボーンマット・デイモン)の前に、CIAの同僚だったニッキー(ジュリア・スタイルズ)が姿を現す。彼女は CIAが世界中を監視・操作するための極秘プログラムを立ち上げたことと、ボーンの過去にまつわるある真実を告げる。これをきっかけに、再び動き 始めたボーンの追跡を任されたCIAエージェントのリー(アリシア・ヴィキャンデル)は、彼を組織に取り込もうとするが……。(シネマトゥデイより)

 

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個人的にも大ファンなボーンシリーズ。特に好きなのは、スプレマシーとアルティメイタムです。

 

今回の新章のタイトルは、その名も「ジェイソンボーン」。


新章なのにタイトルそんまんま!と思いましたが、さすがはポールグリーングラス監督。

 

最初から最後まで全くだれることなく、あっという 間の2時間、お見事です。

 

 

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新章のストーリーはいたってシンプルで、影を潜めているボーンに、前シリーズのお馴染みキャラ・ニッキーが近づいて、「CIAが変な作戦 をしようとしている!助けて!しかもあなたの過去も新しい事実でてきたよ!」と報告。

 

で、相変わらず真相を突き止めるべく動いて、ボーンはCIAに追われる羽目になる、という展開です。


ボーンシリーズの魅力はいろいろあると思うんですが、まずあるのはボーンはいつも敵を倒すためではなく、自分の過去の真相を突き止めるべく爆走しているというところです。

 

普通のCIAもの・スパイものなら明らかな敵がいて、そいつを倒していくという感じだと思うんですが、ボーンシリーズの場合はボーンの特殊な遍歴ゆえ、いつも自分の過去を明らかにするために戦うんですよね。

 

もちろんCIAの悪事を晒すという意味合いもあるんですが、基本的には常に自分の過去を知るために戦っている。

 

これが本当に切ない。

 

こんな哀愁漂うスパイ映画あるのかっていうくらい、いつも切なくなりますね。

 

今回もまさにそうで、「頼む!もうこれ以上、ボーンをいじめないでやってくれ!」って感じ
になりました。 

 

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そしてもう1つの魅力は、言わずもがなアクションシーン。


ボーンシリーズのアクションに名前をつけるなら「ドライな草の根アクション」だと思っています。

 

ボーンシリーズのアクションはもちろん圧巻ですごいんですけど、めちゃくちゃドライ。

 

爆発ドカーン!みたいな華やかさは皆無なんです。

 

でも、これがすごくいい。

 

ボーンは、バトルシーンでもあまり相手を殺さなくて、素手で殴ったり、絞め落としたり、周辺にあるアイテムを一瞬で武器に変えて攻撃したりします。

 

今回の映画ではイスの足を使ったり、スロットの棒みたいなのとか使ってて、すごいワクワクしました。

 

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あと、ボーンって全然走らないんですよね。

 

普通、追われてたらもっと走れよって思うんですが、ボーンはいつも超冷静で、常に「早歩き」。

 

この愚直な感じがすごい好きです。

 

このシリーズの名物ではありますが、早歩きでキョロキョロするボーンを、後ろから撮影しているシーンは今作でも健在です。

 

映画を見終わった後、しばらくボーンっぽい歩き方をしてしまいました。

 

 

 

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そして、スプレマシーから続くカーチェイスのクオリティの高さ!今回もすさまじいです。

 

早いカット割と疾走感あふれる撮影で、自分も彼らの車に乗って疾走しているような感覚になりました。

 

人によっては、あまりのスピード感に酔ってしまうかもしれませんね。

 

 

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特にラストのラスベガスの街でのカーチェイス は、すごすぎて笑いがこみ上げてきました。

 

途中、「ルパン三世 カリオストロの城」みたいなところもあって、うおー!っとテンションぶち上がり!

 

やっぱりグリーングラス監督、さすがです。

 

 

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あと今作からの新キャスト、アリシア・ヴィキャンデルもすごく良かった。


リリーのすべて」から大ファンなのですが、言葉数が少ない冷静沈着なキャラクターを見事に演じていました。

 

やっぱり彼女は目の演技、表情の演技が素晴らしいですね。大好きです。

 

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やっぱりボーンシリーズは、マット・デイモンじゃなきゃです!面白かった!

 

 

監督・脚本・製作: ポール・グリーングラス
脚本: クリストファー・ラウズ

キャスト
マット・デイモン
ジュリア・スタイルズ
アリシア・ヴィキャンデル
ヴァンサン・カッセル
トミー・リー・ジョーンズ

 

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★4.0点

大塚製薬カロリーメイトCM「Mate編」

 

 

大塚製薬さんのCMには、好きなものが本当に多いんです。

 

その中でも、カロリーメイトのCMはいつも感動します。

 

 

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今回ご紹介するのは、柄本佑さんと野村周平さんのCM。

 

このCMでは、柄本さんが先輩、野村さんが後輩という設定です。

 

CMは、高校生活と新社会人生活の映像が交互に挿し込まれていきます。

 

これが、すごく泣ける。


各エピソード、動作やセリフ、カット割りがそれぞれ同じような見せ方になっていて、ここにまずニヤリとします。

 

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野球部で声を出す姿と、

  

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カラオケで声を出す姿。

 

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怪我をした部員を抱える姿と、

 

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酔っぱらった上司を抱える姿。

 


そうそう、新入社員とかだとこういう感じなんだよなーっと、すごく沁みます。

 

この2人が年齢的に近い先輩後輩同士というのも、また良いですね。


何ともいえない近い距離感が絶妙です。

 

 

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しかもこのスキンヘッドは、特殊メイクなんだとか!

 

全くメイクに見えませんでした。

 

そして、最後は少し変わってきて、野球部のとこでは泣いてるんだけど、社会人のとこでは柄本さんが「泣くなよ」と言う。

 

 

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ずらしてくるんですね。

 

こういうところグッときます。

 

 

またバックで流れているピアノの音楽も素晴らしいです。


調べてみると、富貴晴美さんという方が作曲されたもの。

 

CMの空気感にすごく寄り添っていて、やさしく切なく、でも内に燃える熱さがあるようなそんな素晴らしい音楽です。

 

富貴晴美さんは、映画だと「日本の一番長い日」や「駈込み女と駆出し男」、ドラマだと「マッサン」などを手掛けられた方みたいですね。

 

 

 

 

 

やっぱりすごい方でした。

 

 

 

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ラストは各エピソード共、ダッシュ!

  

仕事で疲れたときや、ふと昔を思い出したときに見ると、目頭が熱くなる名作CMです。

 

 

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「見せてやれ、底力」

 

名コピーですね。

 

 


底力見せねば!!

 

「怒り」を観ました。映画がこっちを潰しにくる。

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八王子で起きた凄惨(せいさん)な殺人事件の現場には「怒」の血文字が残され、事件から1年が経過しても未解決のままだった。洋平(渡辺謙)と娘 の愛子(宮崎あおい)が暮らす千葉の漁港で田代(松山ケンイチ)と名乗る青年が働き始め、やがて彼は愛子と恋仲になる。洋平は娘の幸せを願うも前 歴不詳の田代の素性に不安を抱いていた折り、ニュースで報じられる八王子の殺人事件の続報に目が留まり……。(シネマトゥデイより)

 

 

 

 

とんでもないものを、観てしまった。

 

 

 

観終わった後、まず出てきたのはこの感情でした。

 

 

映画の出来が悪かったとかではありません。


良い悪いでいえば、完全に「良」です。

 

 

ただ、スクリーンから伝わるとてつもない熱量に、こちら側がやられそうになりました。

 


パンフレットに載っていた高畑充希さんの言葉。

 

 

 

「映画がこっちを潰しにくる」

 

 

 

まさに、これなんです。

 

心をぐちゃぐちゃにされます。
生半可な気持ちで見てられません。

 

正直、仕事帰りに観るのはキツイと思います。

 

体調が良いときに、休日に1人で観るのをオススメします。

 

でも、絶対に観て後悔しない映画、それが本作です。

 

 

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まずすさまじいのが、キャストの激アツ演技。

 

渡辺謙宮崎あおい松山ケンイチ広瀬すず妻夫木聡綾野剛森山未来と、主要キャストだけでこの並び。豪華すぎます。

 

 

このキャスト1人1人の演技が、熱いんです。

 


「役に魂が宿っている」

 


皆さんの演技を見ていて、そう感じました。

 

 

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特にすごかったのは、渡辺謙さんですね。


背中であそこまで演技ができる俳優さんは、今の日本にはいないんじゃないでしょうか。

 

 

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あと個人的には、高畑充希さんの演技がすごくよかった。


出演時間はわずかなんですが、なんだろう、すごかった。


もしかしたら、あそこで一番泣いたかもしれない。

 

妻夫木さんに真相を語る時の表情、セリフの言い回し…


完全に何かが憑依していた高畑さんに、一気に惚れてしまいました。

 

その他の方々の演技も、相当追い込んでるな…というのがひしひしと伝わってきて、2Dなのに、3Dや4DX、IMAXを見ているかのような圧がありましたね。

 

 

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この映画のタイトルは「怒り」です。

 

喜怒哀楽の「怒」です。

 

この「怒」がいかに厄介な感情かが、映画を観ているとすごく伝わってきます。

 

喜には「嬉しい」、哀には「哀しい」、楽には「楽しい」という形容詞があり、それらの表情をイメージすることは簡単です。

 

でも、「怒」には形容詞がない。

 

「怒った」とか、「腹が立つ」とか、動詞ばかりが浮かびます。

 

きっと「怒り」という感情は表情ではなく「動き」のイメージが強いんです。

 

物を投げたり、人を殴ったり、喧嘩したり、殺人を犯したり…。

 

でも普段、それらの動きをするかというと、多くの場合、私たちはそれを我慢します。「怒り」の衝動をおさえるわけです。

 

でもそれってめちゃめちゃ苦しいわけで、そういうときって、心がぐちゃぐちゃするし、何とも言えない表情になりますよね。

 

 

この感覚を、キャスト全員が演じているんです。


だから、すごいんです。

 

彼らの演技だけでも見ごたえがありすぎて、頭がクラクラしました。

 

 

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また、全編に漂う緊張感がすごい。

 

李監督も「全シーン、クライマックスのつもりで撮った」と、インタビューでおっしゃってましたが、まさにその通り。

 

カット割り、カメラワーク、編集、すべてがじっくりたっぷりで、ピーンと張りつめたような緊張感が、2時間22分ずっと続きます。

 

 

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さらに坂本龍一さんによる壮大な劇伴。

 

「バベル」を彷彿とさせるその音楽は、観る者の心をえぐり、癒します。

 

真実が明らかになり、各エピソードと音楽で紡がれていくクライマックスは圧巻で、鳥肌と涙が止まりませんでした。

 


軸として、「八王子夫婦殺人事件の犯人は誰か」というものがあるのですが、きっとそこが主題ではありません。

 

八王子の事件の犯人の報道によって、いろんな人々が疑心暗鬼になり、愛する人を信じたいけど疑って、登場人物たちが「怒り」を抱いていく。そんな 「人間の感情」、まさに「怒り」を描いたドラマなんです。

 

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同棲したての綾野さんと妻夫木さんの会話のシーン。

 

「家にあるもん盗むとかしたら、俺、遠慮なく通報するよ」

 

「…」

 

「疑ってるんだぞ俺、お前のこと。なんか言えよ」

 

「…疑ってるんじゃなくて、信じたいんだろ。分かったよ。信じてくれてありがとう」

 

 

胸にグサリ、と刺さりました。

 

なぜ「怒り」の感情が生まれるのか。


それは、相手を信じたいから。

 

信じたいけど、もしかしたら犯人なんじゃないか。信じたいけど、もしかしたら…。

 

この気持ちのモヤモヤが、「怒り」につながっていく。


人間の気持ちの複雑さに、キリキリと心が締め付けられました。

 

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この作品をリアルタイムで観れて、本当に良かったです。

 

劇中には普遍的な要素もたくさんありますが、この作品の描いている「今感」は、2016年の今しか体験できない気がします。

 

 

圧巻の2時間22分、是非劇場でご堪能ください。

 

 

やっぱり、ラストに妻夫木聡が泣く映画には、ハズレなし!

 

 

監督・脚本: 李相日
原作: 吉田修一
音楽: 坂本龍一

キャスト
渡辺謙
森山未來
松山ケンイチ
綾野剛
広瀬すず
佐久本宝
ピエール瀧
三浦貴大
高畑充希
原日出子
池脇千鶴
宮崎あおい
妻夫木聡

 

 

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★4.7点

「君の名は。」を観ました。日本アニメに新たに加わったマスターピース的作品。

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1,000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の 風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。 夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢 を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。(シネマトゥデイより)

 


まさかの「風立ちぬ」超えで、

大ヒット街道を驀進している「君の名は。

 

もしかすると、200億を超えるかもしれないという、今年一番のすさまじい大ヒットとなっています。

 
完全に社会現象ですね、これは。

 

数字として結果を残しているのは一目瞭然ですが、作品のクオリティもすばらしかったです。

 

クオリティも高くて、大ヒットする。


これはもう最強ですね。

 

名作揃いの日本アニメ作品に、新たなマスターピースが加わりました。

 

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まず目を引くのは、風景や背景の絵の綺麗さ。


これは他のアニメ作品と比べても圧倒的なんじゃないでしょうか。

 

正直、アニメは素人ですが、素人目に見てもタッチが相当繊細で、雪や雨の描かれ方などは、「実写映画よりも実写っぽい」という不思議な感覚になりました。

 

特に印象に残っているのは、東京の街の描かれ方です。

 

瀧が暮らす東京は、とても美しかった。

 

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それは嘘をついて東京を綺麗に見せているわけではなくて、東京にもこんなに良いところがいっぱいあるんだよという感じです。

 

スマホを見たり、矢のように歩いてくる人にイライラしたり、いかに自分が普段、東京という街をちゃんと見ていないのかとても反省しました。

 

東京にもこんな綺麗な風景があったんですね。
この景色や風景を見るだけでも、観に行く価値があると思います。

 

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さらに良かったのが、ストーリーの紡がれ方。


あまり見たことない展開で、目から鱗でした。

 

いや正確に言うと、目から涙でした。

 

 

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ネタバレは避けますが、

主人公の瀧や三葉は劇中で涙を流します。


でも、その理由が分からない。

 

本人たちもなぜ泣いているのか分からない。

 

 

この映画は、まさにこれなんです。

 

 

なぜか分からないけど、ぽろぽろ泣けてくる。

 

涙が何粒も頬をつたいます。

 

 

ストーリー展開は割とSF的で、正直細かいところまでは理解できなかったりするんですが、そんなことを理論づけしなくても別に良くて、でも、なんか泣けてくるんです。

 

これが本当に不思議でした。

 

 青春映画であり、ラブストーリーであり、SF映画であり、人間ドラマであり、社会派ドラマでもある。

 

こんないっぱいの要素をはらんだ映画を観たのは久しぶりです。

 

アニメでは、もしかしたら初めてかもしれない。

 

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さらにこの全編を彩る大きな要素の1つが、RADWINPSの音楽。

 

これがまぁすこぶる良くて、鳥肌ものでした。

 

音楽と映像のつながりがこれほどリンクしたアニメを、これまで僕は見たことがありません。

 

 

「前前前世」のシーンもスピーディーで素晴らしいんですが、個人的に好きだったのはラストの「なんでもないや」。

 

ラストシーンで青空をとらえて、絶妙なタイミングでカットイン。これまでたまっていたモヤモヤがとれて、涙が溢れました。


余韻がすごくあって、エンドロールもとても短く感じましたね。

 

それ以外の音楽もすごく良くて、映画の内容に寄り添っていて、本当に心地よかったなぁ。


サントラももちろん購入いたしました。

 

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もしかすると、この作品がダイレクトに響くのは、10代20代かもしれません。


やっぱり甘酸っぱい展開は多いし、青春映画です。

 

でもこれだけのヒットを見ていると、そんなものは関係なくて、その層以外の人たちも観に来ている。

 

映画って生きていくのに絶対必要なものじゃないけど、社会全体が1本の映画に注目し、盛り上がっている。

 

それってやっぱりすごいことだし、感動的です。

 

みんながつながってるんだなって思います。

 

やっぱり映画っていいなぁ、と心の底から思います。

 

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新海さんとは、実は今まであまり相性が良くなかったんですが、今作ではビッタリはまりました。

 

今後の作品も楽しみです。

 

君の名は。」、必見です。

 

 

 

原作・脚本・監督: 新海誠
作画監督: 安藤雅司
キャラクターデザイン: 田中将賀
音楽: RADWIMPS

キャスト
神木隆之介
上白石萌音
成田凌
悠木碧
島崎信長
石川界人
谷花音
長澤まさみ
市原悦子

 

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★ 4.5点

 

星野源9枚目のシングル「恋」が良すぎるという話。

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10月5日(水)発売
星野源9枚目のシングル「恋」


ついに、ついに、

本日発売となりました。


いろんなテレビ番組、雑誌やラジオで、
めちゃくちゃ取り上げられていましたね。

 

「SUN」の時は正直ここまでじゃなかった気がするから、やっぱり売れたんだなーと。

 

源さん、売れすぎ!


本日が発売日ではありますが、予約注文していた私は、フラゲ日の昨日、4日に受け取りました。

 


源さんのCDやBlu-rayを購入した時はいつもですが、ほんとにワクワクして、テンションがぶち上がります。

 

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Amazonさんの箱を開けると、CDが登場!
やはりテンションが上がります。

 

できればCDショップで買いたいんですが、帰るまでにお店がなくて、いつもAmazonさんに頼ってます。すみません。

 

でも今回はAmazonでも、早期購入者特典が!!

 

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ニセさん!!!!
表情、やばすぎるよ!!!

 

このファイルには、テンション上がりました。


普通ビジュアルのもいいけど、ニセさんのもいいです。


で、いざCDを見てみると、
まー、ニセさんの多いこと、多いこと!

 

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ここにも。

 

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ここにも。
このニセさんオーラ出過ぎ。

ニセさん、出世したなぁ!

 

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今回収録されているのは、全4曲。


全曲本当に最高です。

永久に聞けます。


ここからは少しだけ、

感想を書いてみたいと思います。

 

 


①「恋」
言わずもがな、TBSドラマ「逃げ恥」の主題歌。ラジオで流れた時から大ファンで、聞けば聞くほど味が出てきます。特に2番のメロ、好きですね。やっぱり二胡マリンバの効果がすごくて、オリエンタルな空気感も出ながら、でもベースやドラムはめっちゃタイトで、源さんのこれまでのイズムがぎゅっと凝縮されたような1曲です。細野晴臣さんやSAKEROCKへのオマージュがたっぷり。最高。


②「Drinking Dance」
曲名の通り、とにかく踊りまくりたくなる1曲。何か70年代のディスコみたいな、ミラーボール回ってて、みんなお酒飲んでて、あー!楽しい!みたいな感じ。このアルバムの中では、1番ラクーっに聞ける。いやでも、曲中全部裏声っていうのは、やっぱりすごい。


③「Continues」
泣きました。涙あふれました。超いい歌です。
全曲の中で、一番メッセージ性が強いというか、熱い想いが伝わってきました。とにかくこの曲を聴いていると、「顔を上げなきゃ」ってなる。下を向いてちゃダメ、前に進んでいこうよって、源さんに後押しされる。コンテニューし続けることって大変だけど、大切なんだよなぁ。

 

そして、サビで入るバックコーラス陣…。

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 メンバー最高じゃねぇか!
RGさんありがとう!!


④「雨音(House ver.)」
毎度おなじみのHouse verですが、今回は、House verの領域を超えてきてました。聴いていると、雨が降ってる情景がすごく浮かんでくるし、アコギなんだけど、リズムが電子ドラム?で、なんかそのアンバランス感がよくて。アウトロの電子ドラムの連打と「ズレ」がとてつもなく心地よいです。

 

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全4曲、お腹いっぱいです。名曲ぞろい。


しばらくはエンドレスリピートになりますね、これは。

 

 

そして、忘れちゃならんのが、

初回限定盤特典DVD「恋ビデオ」

 

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早速、昨日拝見いたしましたが、これまでの特典DVDの中では、一番笑いました。笑

 

「ハートブレイクウォーターホテル」


「ニセはメモを取らないから」

 

など、数々の名言が生まれ、

見応え十分でした。

 

それに加えて、間に挟まれる、

メトロックのライブ映像。!

 

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これがまた最高です。

 

「SUN」


「桜の森」


「時よ」

 

 の3曲ですが、特に「桜の森」が好きでした。


あのノリ、会場の一体感、あーあの場にいたかった・・・。あとやっぱり、ハマ・オカモトさん最高だわ。

 

 


星野源、最新シングル「恋」、
買って損なしの名作シングルでございます。

 

ちなみにブログタイトルも「恋」からとっています。

 

「ひとりを越えてゆけ」

 

漢字は変えてますが、

やっぱり素敵な言葉です。


今まで生きてきて、音楽作品の新作にここまでテンションが上がるアーティストはいなかったなぁ。


しみじみ。

 

源さん、ありがとう!

 

 

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